テーマ:寄生虫症の未来予想図
第36回日本臨床寄生虫学会大会のお世話をさせていただくことになりました、東京慈恵会医科大学の石渡賢治です。2025年6月14日に“寄生虫症の未来予想図”をテーマとして本学西新橋キャンパスにある大学一号館講堂で大会を開催いたします。
私事で大変恐縮ですが、“寄生虫”との出会いは学部移行コンパまで遡ります。「寄生虫って、面白いよ。いろいろなことも学べるし、、、」との甘い誘惑と教室のほんわかした雰囲気に惹かれて、学部学生の頃から教室に出入りをさせていただいておりました。臨床に直接携わっておりませんでしたので、本学会へは2011年頃から参加しております。もっぱら聴く側で、“寄生虫症”について多くを学び、とても感謝しておりました。この度、このような形で本学会に貢献させていただくことができ、大変嬉しく、また光栄に感じております。
大会をお引き受けするにあたって“何か企画を“と考えた際、若い頃に関わった多包条虫(エキノコックス)が脳裏をよぎりました。エキノコックス関連の情報に疎くなりつつも時に、学術的にどこまで分かってきたのか、本邦のエキノコックスは分布を拡大して行くのか、その患者は、との想いがあり、シンポジウム“本邦のエキノコックス症の未来予想図”を企画いたしました。未来を背負う若手と経験豊富なエキスパートによるご講演から、本邦におけるエキノコックス症の今後を考える機会になれば幸いです。
本大会では毎回、広範囲で多面的な発表がなされ、広い視野と深い考察、鋭い示唆や経験に基づいたコメント等々、寄生虫一色の時空が共有されてきたと感じています。今回も、そのような雰囲気から今後の寄生虫症を展望できるような場にしてゆけるよう、スタッフ一同丁寧に準備して参ります。多くの演題とご参加をどうぞよろしくお願い申し上げます。
石渡賢治
東京慈恵会医科大学 熱帯医学講座